木立の向こうの夕日

日帰りスキーに行った。
実に2年ぶり。

新幹線を降りた瞬間，空気が気持ちいいと感じた。
冷たくて，澄んだ空気。

はじめは，おそるおそる，滑ってみる。
ちょっとのスピードも，怖い。

高速リフトで，山頂へ。
スキー場のリフトの上は，世の中から隔離された場所で，そこから，ゲレンデや木立を見下ろしていると，何ともすがすがしい気分になる。
ゲレンデになっていない雪の上に，動物の足跡を探すのも楽しい。

リフトを降りてターンすると，浅間山が見事に見えた。
雪の覆われた部分，薄い部分，雪のない部分が，白とブルーの濃淡で見えて，東山氏の世界みたいだ。

浅間山を正面に見ながら滑り降りるコースに行こうとしたら，以前はグリーン（初級）だったのが，レッド（中級）になっていたので，ためらう。

しばらく他で練習して，やっぱり行ってみた。
滑って立ち止まると，浅間山が正面にあった。
滑っている間は，浅間山どころでない（笑）
人も少ないし，練習しやすいので，何度か滑る。

5時ぎりぎりに，最後のリフトにのる。
ゆっくり，景色を楽しみながら降りてくると，木立の向こうに，夕日が見えた。すっかり葉の落ちた木立が，黒いシルエットとなって，浮かび上がる。
綺麗だな，と思った。

海外で，スキーと履いて，山へ写真をとりに行くことが趣味，という人がいるのだが，こんな素晴らしい景色を，たくさん見ているのだろうな，と思って，納得した。

スキーの楽しさは，滑ることそのものの楽しさだけではなく，景色の美しさに出会えることにもあると思う。